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きぬた歯科の看板広告、そして第一想起を取ること

きぬた歯科の看板広告について書きます、そして違和感がありシンプルであることは極めて難しいことについて説明します。 多くの訴求はシンプルに収めることが大事だと思っていて、 でもこれは結構難しいと思うんですね。

理由は2つあると思っていて、 広告を作る側、つまり訴求をする側、マーケターは、 なるべく多くのことを入れたいというような感情を常に持ってしまっていること、 そして受け取り手は、とにもかくにも無限と言えるほどの情報を受け取っているので、 そんな情報量の多い広告や情報なんて掴むことができないんですね。

この2つの相反する矛盾があって、 訴求がシンプルではない広告というのは、なかなか受けが良くないと思う一方で、 さらにシンプルであり、かつ違和感があるというのがまさにきぬた歯科の広告かなと思います。 きぬた歯科の広告は極めてシンプルなんですね。 院長の顔ときぬた歯科の名前とインプラントという文字と、 西八王子駅前というアクセス、つまりこの4つの要素でしか構成されていないと。

かなりシンプルなわけなんですけれども、そこに違和感を持ってたのが看板広告ですね。 特に都内の高速を走っているときぬた歯科の看板が出てくるわけですけれども、 あれは極めて違和感で、 普通は看板広告というのは、例えば渋谷だったら渋谷のお店とか渋谷の歯医者とか、 そういう渋谷にまつわる店舗が看板広告を出すべきなんですけれども、 西八王子駅にあるきぬた歯科は至る所に広告があると。 つまりシンプルな訴求の上に、 なんでここにあるのか?というふうにユーザーに前のめりで考えてさせてしまっていると思うんですね。

そしてその広告が極めてシンプルでかつ、 高頻度でいろんな場所に出現するので、とても記憶に残っていますと。 僕は東京都民に、 最もあなたが歯医者と呼ばれて思い出す歯医者は何ですかと言われたら、 きぬた歯科は1位になるとはなというふうに思いますと。 このXについてという、 Xについて何を思い浮かべますかという第一想起をとれることは極めて強くてですね、 これがある意味ではブランドですということは、 ノバセル田部さんも言っているんですけれども、 例えば、フライドチキンと言えば100%ケンタッキーなわけなんですね。

そして、 オートクチュールと言えばDiorなわけですよ。 そしてカフェと言えばスターバックスなわけで、 Xと言えば〇〇という第1訴求をとれることは極めて強いし、 きぬた歯科はまさにここを実現した戦略があったのかなというふうに思っております。

サムネイル: https://topics.tbs.co.jp/article/detail/?id=17460

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