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「オタク」の購買行動に首を傾げる君へ

「オタク」の購買行動は、誰も馬鹿にできないことについて書こうと思います。「オタク」という言葉を、この文章では少なくとも、私は否定的な言葉として使うことはありません。過去には、世の中的にはどちらかというとネガティブなイメージがあった言葉だと思っていますが、今は割と世の中に一般的に受け入れられてきていて、プラスでもないと思うんですけれども、ニュートラルな言葉なのかなという風にとどめておきます。

僕は昔、「オタク」の人と食事をしたことがあって、その人はアニメがすごい好きなんですけど、アニメのグッズを端から端まで、コラボ商品もすべて全部買うような人なんですね。

例えば、有名なところで言えば、「ちいかわ」のグッズとかってたくさんあると思っていて、そういうものを、自分が別にそれを使う目的がなかったとしても、とにかく買い集めるみたいな感じ。これは、多分アイドルが好きな人とかっていうのも、グッズを端から端まで買うとかそういうことあると思うんですが、こういうオタクじゃない人、世の中で「推し」と呼ばれるものを持っていない人は、こういう行動を結構理解できないという風に断定をしてしまう傾向が僕はあると思うんですけれども、

自分たちだって、そういうことをある意味自覚せずにやってたなっていうエピソードがありました。

何かというと、この前渋谷のある店に掃除用具を買いに行ったんですが、そこでモネの「睡蓮」が模様されたパッケージのグッズが売ってましたと。日本人はみんな印象派がとても好きですが、私は特段モネの「睡蓮」はめちゃめちゃ好きだというわけでもなく、一方で美術は興味があることですし、自分が好きなので、モネの「睡蓮」も知っているわけですが、それを購入したわけですね。

ある意味、そんなものを全く買うつもりはなかったんですが、購入をしたと。僕以外の人の立場から見ると、僕は絵が好きだからとか、絵に対してオタクだから、あのモネの「睡蓮」のパッケージの掃除用具まで買ってやがるみたいな見方にもできると思うんですね。つまり、その人にとって極めて付加価値の高いプロダクトということが、オタクの欲しいものとマッチすれば、そういうプロダクトはどんどん買われていく話で、僕は端から見てその行動が意味わかんないなと思っていたんですが、実はそれ、お前もやってるじゃんということに気付いた話ですと。

そして、オタクという言葉がちょっと変わってきているのかなと思っていて、特定のアニメを熱烈に推しているとか、いわゆる「アキバ」の言葉みたいな感じだったと思うんですけど、 最近はもうちょっと裾野が広がって、より多くの人がオタクとなることに過去ほど抵抗もなくなってきただろうし、 僕もそういう意味ではある領域においては、「オタク」になるかもしれないというようなことを、最近考えたりしています。

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